Tシャツは厚さ(オンス)で雰囲気や着心地が変わる! 目的に合わせた選び方とは?
オリジナルTシャツを製作する際に、実は意外と重要になるポイントが『厚さ』です。
普段、Tシャツを着用したり購入するときも、最もこだわるポイントが厚さだという方はそこまで多くないと思います。
しかし、Tシャツの厚さの種類や特徴を知れば知るほど、着心地や肌触り・使用用途・カラー・形状などと密接に関係するとても重要な項目だということが少しずつに分かってきます。
今回は普段あまり気に留めないけど、実は重要なTシャツの厚さについてご紹介いたします。
Tシャツの厚さの単位は「オンス」
オンス(ons)はヤード・ポンド法で使われる質量の単位で、語源はラテン語のuncia(12分の1)に由来し、1ヤード四方(=約90cm四方)に対する生地の重さを指します。単位記号には「oz」が使われ、Tシャツに限らず、生地の厚さの単位として広く使われています。
また、オンスは質量の単位として、トロイオンスと常用オンスの2種類が使用されます。トロイオンスは貴金属や宝石の計量に、常用オンスは一般的な重さの単位として用いられ、1トロイオンスは31.1035グラム、1常用オンスは28.3495グラムにそれぞれ相当します。
その他にも、オンスは液体の体積である液量オンス(fl oz)や、質量の単位である重量オンス(ozf)にも使用されています。
1オンスの重さ
1オンスは約28.35グラムに当たり、1ヤード四方(=約90cm四方)に対する生地の重さを指します。
例えば、一辺が1m弱の布の重さが30グラムだと約1オンス、150グラムだと約5オンスというように、大よその測定をすることが可能です。
生地の厚みとの関係
オンスの値が大きくなるに連れて、生地の厚みは増していきます。
Tシャツのオンスは、胴の部分を4回畳んだ状態で厚さを測ることで簡易的に算出できます。生地の厚さが3cm以内なら約3.5~4.9オンス、3~3.5cmなら約5~6.9オンス、3.5cm以上なら7オンス以上という数値が目安になります。
※実際の生地の厚みは素材や種類によって異なりますので、測定の際にはご注意ください。
【目的別】Tシャツの厚さの選び方
製作するオリジナルTシャツをどのような用途で使用するかによって、最適なTシャツの厚さは異なります。用途に合った最適なオンス(厚さ)を見極めるための目安となる、オンスと用途の大まかな相関性をご紹介いたします。
日常使い用に最適な5~6オンス
日常生活で着用できる、一般的なオリジナルTシャツを製作するなら5~6オンスの厚さの生地を選ぶのがオススメです。
グラムに直すと約140~170グラムで、厚すぎず薄すぎず季節を問わず着用できて、透け感も少なく使い勝手抜群です。
コットン・ポリエステルなどの生地・素材や、カラーの種類も圧倒的に豊富で、物販やノベルティグッズ、スタッフやチームのユニフォームなど様々な用途で活用されています。
プリントの自由度が高いアイテムも多く、オリジナルTシャツ製作の醍醐味をたっぷりと味わうことができます。これから初めてオーダーメイドでTシャツを製作したいという方には断然オススメです。
【キラメック一押しの人気アイテム】
- 5.6オンス ヘビーウェイトTシャツ
- キラメックで扱っている全てのTシャツの中で、圧倒的な支持を得ている不動の人気NO.1アイテムです。多用途で使えるマルチプレイヤーです。
- 5.6オンス ハイクオリティーTシャツ
- とにかく豊富なカラーバリエーションは全51色!カラーにこだわりたい方には特に人気の高いアイテム。スタンダードなシルエットと優れた耐久性も魅力的です。
涼しく着たいなら5オンス未満
薄手で涼しく着用できるオリジナルTシャツを製作したいなら、5オンス未満のアイテムの使用を推奨します。
夏場やスポーツ時の着用を想定した、ポリエステル素材で清涼感が強く薄手でさらっとした肌触りが特徴のドライTシャツなどにも多く使用されています。また、比較的安価なアイテムも多いため、クラスTシャツやイベントTシャツを製作する際には、コストを抑えることができるという点も大きな魅力のひとつです。
5オンス未満で特に白や薄い色のTシャツだと、透け感が出やすいアイテムも多いので、Tシャツ1枚だけで着用するというよりも、重ね着することを想定して製作したほうが、ユーザー満足度が高いアイテムに仕上がるのかもしれません。
【キラメック一押しの人気アイテム】
- ライトウェイトTシャツ
- イベントやキャンペーンなどで使い切り用に最適!リーズナブルでカラーバリエーションも豊富なTシャツです。透けにくい濃い目のカラーが売れ筋です。
シルエットが美しい、高級感もある6オンス以上
しっかりとした厚みのある生地で、丈夫&型崩れしにくい高級感のあるTシャツを製作するには、6オンス以上のアイテムを使用することをオススメします。
6オンス以上の生地であれば、白や薄い色でも透け感なく、生地にハリがあって型崩れしにくいので、シルエットをキレイに長期間保つことができます。
生地は厚くて丈夫で耐久性も抜群。重厚感のあるシルエットで、高品質で高級な印象を与えることができます。
着用頻度が高くても、洗濯して何度も着回しができるので、スタッフ・チームのユニフォームやスポーツ用などのプレミアムTシャツにぴったりです。
【キラメック一押しの人気アイテム】
- 10.2オンス スーパーヘビーウェイトTシャツ
- 厚手で耐久性抜群の生地と、普遍的で飽きのこない美しいシルエットが印象的。上品な雰囲気も漂う、物販品や贈答品にもおススメのプレミアムTシャツです。
Tシャツのオンスの調べ方
普段の生活の中で、正直あまり馴染みのないオンス。文章で説明を読むだけではなく、自分が所有している馴染みのTシャツも参考にして製作したいと考える方も多いのではないでしょうか?
このセクションではTシャツのオンスの調べ方と、定規とTシャツさえあれば、誰でも簡単に大よそのオンスを測定できる方法をご紹介します。
タグを調べる
まずはTシャツに付いているタグを一度確認してみてください。サイズや素材などと一緒に、例えば「5.5oz」などと表記されている場合があります。
メーカー・型番から調べる
Tシャツを製造したメーカーと商品の型番が分かれば、インターネットで検索した商品ページにオンスが記載されている可能性があります。タグに型番が記載されているケースもあるので一度ご確認ください。
実際に測ってみる
タグや型番情報が無くても、以下の手順でオンスの大よその値を測定することができます。
- 衿の付け根と袖が重なるように半分に畳みます。
- 続いて、袖と袖を合わせるように横へ畳みます。この時点でTシャツは縦長の長方形に近い形になっています。
- 縦長の長方形になっているTシャツの天地が重なるように、更に半分に畳みます。この時点でTシャツは横長の長方形に近い形になっています。
- 横長の長方形になっているTシャツを、正方形になるように更に畳みます。
- 正方形にしたTシャツの、生地が一番厚い折り目部分の厚さ(長さ)を測ります。
厚さが3cm以内なら約3.5~4.9オンス、3~3.5cmなら約5~6.9オンス、3.5cm以上なら7オンス以上です。
Tシャツに使用している素材や経年劣化具合によっても値は多少変動しますが、オンスを測る目安として利用してみてください。
生地の厚み以外にTシャツの風合いを左右するもの
Tシャツの風合いは、生地の厚み以外にも、様々な要素によって左右されます。生地の厚みだけにとらわれることなく、広い視野を持って「どのような用途で使用するのか」「誰が着用するのか」「どれくらいの期間着用するのか」といった基本に立ち返って、総合的に判断していくことで、より良いオリジナルTシャツを製作することができるはずです。
糸の種類や太さ
Tシャツの製造に使用する糸は、太番手・中番手・細番手と大きく3種類に分かれています。それぞれの繊維長は太番手が20~27mm、中番手が26~28mm、細番手が28~33mm。糸の太さは繊維長の長さによって決まり、短いと太い糸、長いと細い糸になります。
因みに、綿花の繊維をそろえ、引っ張りながらひねりをかけて糸にしていく紡績という工程の時点で、リングスパン糸とオープエンド糸という特徴の異なった2種類の紡績糸が作られます。
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- リングスパン糸
- しめ縄の原理で作られた、糸の表面が滑らかで強度があるリング紡績機で作られたTシャツやポロシャツなどのニット製品に多く使われる紡績糸。
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- オープエンド糸
- 空気の流れでひねりを加え、繊維の間にできた空間によりボリューム感がある、オープンエンド紡績機で作られたアメリカ製のTシャツに使われることが多い紡績糸。
生地の素材
使用している生地の素材によって質感や特徴が大きく異なるTシャツ。例えば、Tシャツの製造に多く使用されている綿とポリエステルを比較した場合でも以下のように特徴が異なります。
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- 綿素材
- 天然繊維で、肌触りが良く通気性や吸水性に優れているが、シワになりやすく、色落ちや色移りしやすい。ポリエステル素材よりは透けにくいと言われているが、生地が薄くなるにつれて透けやすくなる。
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- ポリエステル素材
- 合成繊維で、耐久性や速乾性に優れていて、シワになりにくく、洗濯しやすいが、火に弱く静電気が起こりやすい。綿素材よりも透けやすいと言われている。透けないように着用するには、大き目のゆったりサイズを選んだり、厚手の生地を選ぶなどの工夫が必要。
このように、Tシャツ生地素材の特徴を把握して、用途に合ったアイテムをピクアップすることができれば、より満足度の高いオリジナルTシャツを製作することができます。
生地の色
Tシャツ生地の色合いによって異なってくるのが透け感です。一概には言えませんが、生地の色は白や白により近い薄い色であるほど透けやすいと言われています。
薄手だけど透けにくいオリジナルTシャツを製作したいという場合は、より黒に近い濃い目のカラーを選択するのがオススメです。逆に、白に近い薄い色でも透けにくいオリジナルTシャツを製作したいという場合は、できるだけオンスの値が大きい厚い生地の採用を推奨します。因みに6オンス以上のヘビーウェイトTシャツは、白でも透けないと言われています。
シルエット
オリジナルTシャツのシルエットによって、着用感と透け感が異なってきます。
例えば、ピッタリしたシルエットのTシャツだと、着用した際にインナーの形や柄を拾ってしまう場合があるので、透け感が気になる場合はゆったりしたシルエットのアイテムを選ぶのがオススメです。
ゆったりしたシルエットのTシャツはリラックスした気分で着用できて、2023年の時点ではトレンドとして若者を中心におしゃれに着こなしている方も多いですが、着用する場面や着こなし方によってはだらしない印象を与えてしまう場合もあるので注意が必要です。
Tシャツのシルエットは時代によってトレンドが変化するので、Tシャツの用途・着用する人・使用期間などもしっかりと見極めて、流行だけにとらわれることなく選定することを推奨します。
まとめ
普段あまり気に掛けないTシャツの厚さですが、オリジナルTシャツを製作する際に、少しだけこだわってみることで、より着心地が良く満足度の高いアイテムに仕上がるはずです。
これからオリジナルTシャツを製作したいと考えているお客様に、より満足度の高いTシャツを作るためのヒントとしてご覧いただければ幸いです。